不用品の成功事例

また、若い層には自分の家を購入するため、無理をしてローンを組み、収入に見合わない借入金を抱えた人も増えている。 ふだんは冷静なあのイギリス人が、資産バブルでやや浮き足立っているのだ。
統計によれば、イギリスの二○○三年の消費者信用融資額(月次)は、二年前の約一・八倍に、また住宅ローン(同)は約二倍に増えている。 この状態を、日本のバブル景気の時代に似ていると指摘するエコノミストさえいる。
こうした時期に、もう一度足元を見つめ直し、家族との関係や社会生活を大事にしながら、堅実に資産を築いていこうと語りかけるアルヴィン・ホールの言葉は、もともと質素を旨としてきたイギリス人の心に強く訴えるものがある。 折しも、借りたお金の返済に行き詰まり自己破産する人も増加している。
二○○三年上半期の自己破産件数は前年同期比一三パーセント増の約一万七千件であった。 新聞に「イギリスの家計は、かってなかったほどの借金漬けになっている」と警告を発する記事が載るようになった。
このような時期にこそ、A・ホールの教えが必要なのであろう。 「極端にリスクを避けるのも、極端にリスクを取り過ぎるのも、どちらもよくない。短期運用にはリスクの低いものを選び、リスクの高いものは長期運用にしなさい」と彼は言う。
その教えは、誰にも分かりやすく、高額所得者でなくともすぐに応用出来るものばかりだ。 彼の言葉は、もう一度イギリス人らしい原点に立ち返ろうと呼びかけているようでもあり、今の時代ではかえって新鮮に響く。

だから、多くの人の共感を呼ぶのだ。 そこには、危うい資産バブルで足をすくわれる前に、うまくバランスを取って生き抜こうとする「生き方上手」イギリス人の知恵と性格が反映されている。
始めにも述べたが、かつてロンドンのNインターナショナルに勤務していたG・ハンズ氏の九七年度の年収は、四千万ポンド(当時換算レートで約八十五億円)に達したという。 ハンズ氏は今では独立して自分の会社を経営しているが、当時はサラリーマンで、企業買収と資産証券化事業のチームを率いていた。
当時、買収したパブ・チェーンを転売して大きな利益をあげたと新聞でも報じられた。 彼が日本の銀行や証券会社のサラリーマンだったら、いかに利益をあげても、これほどの収入は手にしなかっただろう。
これが欧米の能力主義のいいところであり、金融界に勤める醍醐味でもある。 つまり、成績があがらなければ解雇されるが、大きな成果を勝ち取れば、それに応じて、日本では考えられないような収入が得られる。

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